翻訳者の請求書の書き方 —
源泉徴収とワード単価・文字単価の記載例

マニュアルやドキュメントの定期翻訳、契約書のスポット翻訳、会議の通訳——翻訳・通訳の仕事は単価の数え方が案件ごとに違うため、請求書には単価の根拠が伝わる書き方が欠かせません。この記事では、翻訳者・通訳者の請求書の書き方を、源泉徴収の扱いと単価形態別の品目記載例つきで解説します。

翻訳料・通訳料は源泉徴収の対象

個人の翻訳者・通訳者が受け取る翻訳の報酬や通訳の報酬は、所得税法で源泉徴収の対象となる報酬に挙げられています。発注元が法人(または従業員を雇っている個人事業主)であれば、報酬から源泉徴収税額を差し引いた金額が支払われるため、請求書にも源泉徴収税額と差引請求金額(振込額)を載せておくのが実務的です。

このとき、翻訳料と消費税を区分して記載しておけば、源泉徴収の対象を税抜の報酬部分にとどめられます。税率(10.21%、100万円を超える部分は20.42%)や端数処理を含む具体的な計算手順は、顧問料の請求書の書き方 — 源泉徴収の計算例つき(士業向け)を参照してください。税率・計算方法は翻訳料・通訳料でも同じです。

単価形態別・品目の書き方

翻訳・通訳の単価は「原文ワード単価」「仕上がり文字単価」「時間単価」の3つが代表的です。どの数え方なのかが請求書から読み取れるように、分量と単価をセットで書きます。

単価形態品目の記載例ポイント
原文ワード単価 英日翻訳(2026年7月分 / 原文12,000ワード × 12円) 144,000円 原文基準か訳文基準かを明記する。集計対象(図表内の文字など)も事前にそろえる
仕上がり文字単価 英日翻訳(2026年7月分 / 仕上がり24,000字 × 6円) 144,000円 仕上がり基準は納品後でないと確定しない。概算見積との差が出る旨を共有しておく
時間単価(通訳) 逐次通訳(2026年7月10日 ◯◯商談 / 4時間 × 15,000円) 60,000円 実施日・案件名・時間数を明記する。移動・拘束時間の扱いは契約で決めておく
POINT 同じ翻訳でも、原文基準と仕上がり基準では金額の確定タイミングが違います。どちらの基準か・何を数えるかを品目に書いておくと、検収時の数え直しや金額の問い合わせがほぼなくなります。通訳の出張交通費など立替実費は行を分けて記載してください。

継続案件の請求は自動化する

月次で発生するドキュメント翻訳、定例のニュースレター翻訳、毎月決まった本数のローカライズ——翻訳の仕事には、分量がほぼ固定の継続案件が多くあります。納期に追われる月末に請求書の作成が重なると、送り忘れや単価の転記ミスが起こりがちです。

  1. 継続案件の取引先を継続請求として登録する — 宛先・品目・金額・請求日を一度設定します
  2. 請求書の生成と送付を自動にする — 毎月決まった日に、源泉徴収税額の計算込みで請求書が自動発行されます
  3. 分量が変動した月やスポット案件だけ手を動かす — 自動生成された請求書を修正するか、別途発行します

運用の全体像は毎月同じ請求書を自動で送る方法で詳しく解説しています。

まとめ

  • 個人の翻訳料・通訳料は源泉徴収の対象。請求書には源泉徴収税額と差引請求金額を記載するのが実務的
  • 翻訳料と消費税を区分すれば、税抜の報酬部分だけを源泉徴収の対象にできる
  • 品目には単価の基準(原文/仕上がり/時間)と分量・単価を明記する
  • 分量が固定の継続案件は請求書の発行と送付を自動化し、変動した月だけ確認する運用が確実

Maido請求は、この「継続請求の自動化 + 例外だけ確認」の運用をそのまま実装したサービスです。源泉徴収税額の自動計算に対応しており、自動で送れなかった請求だけが確認待ちに残ります。

※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、源泉徴収の対象となるかどうかなど個別の税務判断については税務署または税理士にご確認ください。

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