デザイナーの請求書の書き方 —
源泉徴収と単発・リテイナーの記載例

フリーランスデザイナーの請求書には、ほかの職種にはあまりない特徴があります。個人が受け取るデザイン料は源泉徴収の対象になるという点です。この記事では、デザイン料と源泉徴収の関係、単発案件とリテイナー(月額契約)それぞれの品目記載例、毎月続く契約の請求を自動化する方法を解説します。

デザイン料は源泉徴収の対象

個人のデザイナーが受け取るデザインの報酬は、所得税法で源泉徴収の対象と定められています。ロゴ・パンフレット・Webデザインなど、デザイン制作の報酬が広く対象です。

仕組みはシンプルで、発注元(法人、または従業員を雇っている個人事業主)が報酬の10.21%(同一の支払で100万円を超える部分は20.42%)を差し引いて国に納め、デザイナーには差引後の金額が振り込まれます。なお、源泉徴収の対象になるのは個人への支払のため、デザイン会社など法人として請求する場合は対象外です。

請求書には、源泉徴収税額と差引請求金額(振込額)を記載するのが実務上の慣行です。義務ではありませんが、発注元が毎回計算しなくて済むため、記載しておくと取引がスムーズになります。

POINT 報酬と消費税を区分して記載すれば、税抜の報酬金額だけを源泉徴収の対象にできます。区分されていないと税込金額全体が対象になり、引かれる税額が増えてしまいます。具体的な計算例は顧問料の請求書の書き方 — 源泉徴収の計算例つき(士業向け)で解説しています(税率・計算方法はデザイン料も同じです)。

契約形態別・品目の書き方

デザインの契約は、ロゴ制作などの単発案件と、月額固定で継続的にデザイン業務を請け負うリテイナー契約に大きく分かれます。

契約形態品目の記載例ポイント
単発(ロゴ等) ロゴデザイン制作(提案3案・修正2回込み) 150,000円 修正回数など契約範囲を品目に書くと、追加対応の交渉がしやすい
単発(点数もの) バナーデザイン制作(2026年7月分 / 5点 × 8,000円) 40,000円 点数と単価を明記すると、発注数が変わった月も差分が分かりやすい
リテイナー デザイン顧問料(2026年7月分 / 月20時間まで) 100,000円 対象月と稼働上限を明記する。超過分は行を分けて請求する

インボイス発行事業者の場合は登録番号の記載も必要です。記載事項の全体像は適格請求書(インボイス)の記載事項6つを参照してください。

リテイナー契約の請求は自動化できる

リテイナー契約の請求書は、宛先・品目・金額・源泉徴収税額が毎月同じです。それにもかかわらず毎月手で作り直していると、源泉の計算ミスや送り忘れのリスクを抱え続けることになります。

月額契約の取引先を継続請求として一度登録し、請求書の生成と送付を自動にすれば、通常月は何もしなくても請求が完了します。手を動かすのは、スポット案件が発生した月や単価を改定した月だけで十分です。この運用の組み立て方は毎月同じ請求書を自動で送る方法で詳しく解説しています。

まとめ

  • 個人が受け取るデザイン料は源泉徴収の対象。請求書には源泉徴収税額と差引請求金額を記載するのが慣行
  • 報酬と消費税を区分して記載すれば、税抜金額だけを源泉徴収の対象にできる
  • 品目には対象月・点数・契約範囲を明記する。単発とリテイナーで書き方を分ける
  • 毎月同じリテイナー契約の請求書は、源泉計算込みで自動化するのが確実

Maido請求では、取引先ごとに金額と請求日を設定すると、毎月の請求書が源泉徴収税額の計算込みで自動生成され、決まった日にメールで自動送付されます。

※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、源泉徴収の対象となるかどうかなど個別の税務判断については税務署または税理士にご確認ください。

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