ナレーションの請求書の書き方 —
収録単価・文字数単価と源泉徴収の注意点
企業VP・研修動画のナレーション、ゲームのキャラクターボイス、音声コンテンツの朗読、楽曲・効果音の制作——声と音の仕事は、単価の数え方が案件ごとに違ううえ、源泉徴収の扱いという固有の論点を抱えています。この記事では、ナレーター・声優・音楽制作者の請求書の品目記載例と、源泉徴収で迷わないための実務を解説します。
単価形態別・品目の書き方
ナレーションの報酬は「収録1本あたり」「原稿の文字数・完成尺の秒数あたり」「拘束時間あたり」の3つの数え方が代表的です。どの基準で計算した金額なのかを品目だけで示せるように書きます。
| 単価形態 | 品目の記載例 | ポイント |
|---|---|---|
| 収録単価 | ナレーション収録(2026年7月10日 / ◯◯社紹介動画 1本) 50,000円 | 収録日と案件名を明記する。リテイクを何回まで含むかは契約で決めておく |
| 文字数・秒数単価 | ナレーション収録(2026年7月分 / 原稿2,400字 × 15円) 36,000円 | 原稿の文字数か完成尺の秒数か、数える基準を品目に明記する |
| 拘束時間 | スタジオ収録(2026年7月15日 / 拘束3時間 × 12,000円) 36,000円 | 拘束時間の起点(入り時間か収録開始か)と延長単価を事前にそろえる |
音声データの二次利用や放送範囲の拡大で追加報酬が発生する契約なら、当初の収録分と追加使用料の行を分け、どの媒体・期間に対する対価かを書き添えます。宅録納品の場合に編集・整音費を含むかどうかも、品目で見えるようにしておくと検収がスムーズです。
出演・録音の報酬と源泉徴収 — 契約時に確認する
個人が受け取る出演や録音の報酬は、支払う側が所得税分をあらかじめ差し引いて国に納める源泉徴収の対象になる場合があります。所得税法には、ラジオ・テレビ放送の出演や演劇・音楽の演奏など、いわゆる芸能関係の役務に対する報酬・料金が源泉徴収の対象として挙げられており、ナレーションや歌唱、楽曲演奏の収録もこの範囲に含まれると扱われることが少なくありません。
一方で、動画やゲームへの音声収録がどこまで該当するかは、案件の内容や契約の立て付けによって判断が分かれることがあります。発注元によって源泉徴収の扱いが違うのはこのためです。
税率や端数処理を含む具体的な計算手順は顧問料の請求書の書き方 — 源泉徴収の計算例つき(士業向け)で解説しており、出演・録音の報酬にもそのまま当てはまります。
※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、源泉徴収の対象となる範囲など個別の税務判断については税務署または税理士にご確認ください。
継続案件の請求は自動化する
毎月納品する研修動画シリーズのナレーション、週次で更新される音声コンテンツの朗読、月額契約のボイス素材制作——声の仕事にも、本数と金額がほぼ固定の継続案件があります。収録と納品に追われる月末に請求書づくりが重なると、送り忘れや単価の書き間違いが起こりがちです。
- 継続案件の取引先を継続請求として登録する — 宛先・品目・金額・請求日を一度設定します
- 毎月の請求書の生成と送付を自動にする — 源泉徴収税額の行がある請求書も、計算込みで自動発行されます
- 本数が変動した月やスポット収録だけ手を動かす — 自動生成された請求書を修正するか、別途発行します
運用の全体像は毎月同じ請求書を自動で送る方法で詳しく解説しています。
まとめ
- 品目には単価の基準(収録1本・文字数や秒数・拘束時間)と数量・単価を明記する
- 二次利用の追加使用料や編集・整音費は行を分け、対価の範囲を書き添える
- 個人の出演・録音の報酬は源泉徴収の対象になる場合がある。有無と請求書の書き方は契約時に発注元へ確認する
- 本数が固定の継続案件は請求書の発行と送付を自動化し、変動した月だけ確認する運用にする
Maido請求は、この「継続請求の自動化 + 例外だけ確認」の運用をそのまま実装したサービスです。源泉徴収税額の自動計算に対応しており、自動で送れなかった請求だけが確認待ちに残ります。