弁護士の顧問料請求書の書き方 —
タイムチャージ・実費・源泉徴収の記載例
顧問契約を結ぶ法律事務所・個人弁護士の毎月の請求書は、月額の顧問料だけで完結しない月が多いのが特徴です。タイムチャージの超過分、印紙代や交通費などの実費が月によって加わり、行の構成が少しずつ変わります。この記事では、弁護士の顧問契約に特有の請求書の書き方を品目記載例を中心に解説します。なお、源泉徴収の税率や計算例そのものは顧問料の請求書の書き方 — 源泉徴収の計算例つき(士業向け)が税理士・社労士を主な対象として詳しく扱っているため、本記事は弁護士の顧問契約ならではの行の作り方に絞ります。
弁護士の顧問料請求書は3層構造
顧問契約の典型的な請求内容は、次の3層に整理できます。
- 月額顧問料 — 契約で決まった固定額。毎月変わらない層
- タイムチャージ超過分 — 顧問料に含まれる稼働時間を超えた分の従量請求。発生した月だけ乗る層
- 実費 — 収入印紙代・交通費・郵送費など、業務の遂行にかかった立替分。発生の都度精算する層
この3層を1行にまとめてしまうと、顧問先は内訳を検証できず、経理処理も止まりやすくなります。層ごとに行を分けるのが基本です。
品目の書き方 — 記載例
| 層 | 品目記載例 | 金額例 |
|---|---|---|
| 月額顧問料 | 顧問料(2026年7月分) | 100,000円 |
| タイムチャージ超過分 | タイムチャージ超過分(2026年7月分 / 2時間 × 20,000円) | 40,000円 |
| 実費(印紙) | 収入印紙代(◯◯契約書用 / 立替分) | 4,000円 |
| 実費(交通費) | 交通費(2026年7月10日 / ◯◯地方裁判所出頭) | 1,860円 |
タイムチャージ超過分には「2時間 × 20,000円」のように時間数と単価を明記します。顧問先が月次の業務報告書と突き合わせて検収できる形にしておくと、金額への問い合わせが減ります。実費は用途と日付を書き、領収書の写しを求められたら提出できるように控えを保管しておきます。
個人の弁護士報酬は源泉徴収の対象
個人として業務を行う弁護士への報酬は、所得税法で源泉徴収の対象と定められています。顧問先の法人は報酬から源泉徴収税額を差し引いて支払うため、請求書に源泉徴収税額と差引請求金額を記載しておくのが実務上の慣行です。一方、弁護士法人への支払いは源泉徴収の対象になりません。
税率(10.21%)や差引請求金額の計算手順は顧問料の請求書の書き方 — 源泉徴収の計算例つき(士業向け)の計算例がそのまま使えます。源泉行を含む請求書のサンプルは弁護士の顧問料請求書テンプレートを参照してください。
「固定の顧問料」と「変動する超過・実費」を分けて運用する
毎月の請求作業を重くしているのは、実は変動分ではなく、変わらないはずの顧問料の行を毎月手で作り直していることです。顧問先が10件、20件と増えると、同じ内容の請求書を毎月作成して送るだけで数時間が消えます。
- 顧問料の行は顧問先ごとに固定情報として登録し、毎月自動で発行する
- タイムチャージ超過や実費が発生した月だけ、送付前に行を追加して確定する
- 発生がなかった月は、確認すら不要でそのまま自動送付される
Maido請求では、顧問先ごとに継続請求を設定すると、毎月の顧問料請求書が源泉徴収税額の計算込みで自動生成・自動送付されます。超過分や実費がある月だけ内容を直せばよいため、顧問先が増えても請求作業は増えません。
まとめ
- 弁護士の顧問料請求書は、月額顧問料・タイムチャージ超過分・実費の3層で行を分ける
- 超過分は時間数 × 単価、実費は用途と日付を明記し、請求書の中で根拠を完結させる
- 個人の弁護士報酬は源泉徴収の対象。実費の区分の仕方は事前に税理士へ確認しておく
- 固定の顧問料は自動発行に任せ、変動分だけ確認する運用が効率的
※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としています。源泉徴収や消費税の対象範囲は契約内容・立替の形態により異なるため、個別の税務判断については税務署または税理士にご確認ください。