検収と請求書のタイミング —
納品から請求までの流れと検収が長引くときの対応

成果物を納品したら、すぐに請求書を送ってよいのでしょうか? それとも検収が終わるまで待つべきでしょうか——納品のたびに請求する都度請求の案件では、この判断が毎回ついて回ります。この記事では、納品→検収→請求の流れの中で請求書を発行してよいタイミングと、検収が長引くときの対応を解説します。なお、月末締めでその月の取引をまとめて請求する定期契約のタイミングは請求書はいつ送る?発行タイミングの決め方 — 月末締めの実務で扱っており、この記事は検収を基準に都度請求する案件に絞ります。

納品から支払いまでの流れ

都度請求の取引は、おおむね次の順序で進みます。

  1. 納品 — 成果物や物品を取引先に引き渡す
  2. 検収 — 取引先が納品物を確認し、契約どおりであることを認める
  3. 請求 — 確定した金額で請求書を発行・送付する
  4. 支払い — 支払期日までに代金が振り込まれる

検収は、取引先にとって「この納品物に対して支払ってよい」と確定させる手続きです。検収前に不具合が見つかれば修正対応となり、金額が変わる可能性も残っています。だからこそ、請求書をどの時点で発行するかが論点になります。

請求書を発行してよいタイミング

第一の基準は契約です。契約書や発注書に「検収完了後に請求書を発行する」「納品月の月末締めで請求する」といった定めがあれば、それに従います。

契約に明確な定めがない場合、実務では検収完了を請求の起点にするのが安全です。検収前に発行した請求書は、修正対応で金額が変われば再発行になりますし、取引先の経理側でも「検収が済んでいない請求書」として処理を保留されがちだからです。

契約の定め請求書の発行タイミング
「検収完了後に請求する」と定めがある検収完了の連絡(検収書・メール)を受けてから発行する
「納品月の月末締めで請求する」と定めがある納品した月の締め日後に発行する。検収の途中でも契約の定めに従う
定めがない検収完了を起点にするのが安全。納品時に検収連絡を依頼しておく
POINT 検収書が発行されない取引では、検収完了メールを請求の起点として保存しておきます。「確認しました。問題ありません」という一文でも、検収が完了した日付の記録になります。納品して返事がないまま請求してよいか迷う状態を避けるため、納品時に「ご確認後、検収完了のご連絡をいただけますか。ご連絡をもって請求書をお送りします」と一言添えておくと、起点がはっきりします。

請求書側には、品目に納品日や検収日を書き添えます。取引先が検収記録と突き合わせやすくなり、支払処理がスムーズになります。

検収が長引くときの対応 — 検収期限を契約で定める

都度請求で困るのが、納品したのに検収の連絡がいつまでも来ないケースです。検収が終わらなければ請求の起点が立たず、入金はさらにその先になります。

対策は、検収期間を契約で定めておくことです。「納品後10営業日以内に検収を行う」「期間内に通知がない場合は検収に合格したものとみなす」という、いわゆるみなし検収の条項を入れておけば、連絡が来ないまま請求できない状態に上限ができます。既存の契約にこの定めがない場合も、次の契約更新のタイミングで盛り込むよう相談する価値があります。

なお、フリーランスが受注する取引では、フリーランス法により報酬の支払期日は検収完了日ではなく成果物の受領日から起算して原則60日以内と定められており、検収が長引いても支払期日は後ろにずれません。詳しくはフリーランス法と請求実務 — 支払期日60日ルールと取引条件の明示義務を参照してください。

検収から請求までを仕組み化する

検収完了の連絡を受けてから請求書を作り始めると、他の作業に紛れて発行が数日遅れ、その分だけ入金も遅れます。検収完了の記録と請求書の発行を同じ日に行う、と運用を決めてしまうのが確実です。

また、都度請求の案件と毎月定額の定期契約が混在しているなら、定期契約分の請求書は自動化しておきます。手を動かすのは検収を待つ都度請求分だけ、という状態にすれば、発行遅れも送り忘れも起こりにくくなります。

Maido請求では、定期契約分は継続請求として自動生成・自動送付し、都度請求分はその都度1枚作成する使い分けができます。発行した請求書の履歴が一覧に残るため、検収待ちで未請求の案件の抜け漏れにも気づきやすくなります。

まとめ

  • 都度請求の取引は納品→検収→請求の順で進み、請求の起点は契約の定めに従う
  • 契約に定めがなければ検収完了を起点にし、検収書や検収完了メールを保存する
  • 検収期間とみなし検収の条項を契約で定め、検収待ちが長引くリスクに上限を設ける
  • フリーランス法の支払期日は検収完了日ではなく受領日起算である
  • 定期契約分の請求は自動化し、検収を待つ都度請求分だけに手をかける

※ 本記事は一般的な実務の考え方をまとめたものであり、法解釈を示すものではありません。検収や支払条件の取り決めは個別の契約内容によって異なるため、判断に迷う場合は弁護士等の専門家にご相談ください。

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