請求書の備考欄の書き方 —
書くべきこと・書かないほうがよいこと
請求書の備考欄は自由記入欄ですが、「何を書けばいいのか」「何も書かなくていいのか」と迷いやすい場所でもあります。備考欄は、金額や品目だけでは伝わらない支払条件や経緯を補足し、入金の食い違いや問い合わせを防ぐための欄です。この記事では、備考欄に書くべきこと・書かないほうがよいことを、記載例とあわせて整理します。
備考欄に書くべき5つのこと
1. 振込手数料の負担
入金額の食い違いでもっとも多いのが振込手数料の扱いです。どちらが負担するかを毎回明記しておくと、手数料分が引かれている・いないをめぐる確認のやり取りを防げます。負担の原則と考え方は請求書の支払期日の決め方で解説しています。
2. 源泉徴収の注記
源泉徴収の対象になる報酬では、請求金額と実際の振込額が一致しません。備考欄に一言添えておくと、先方の経理が迷わず処理できます。
3. 支払方法・支払期日の補足
振込先が複数ある場合の指定、支払期日が休日にあたる場合の扱いなど、金額欄の外で決まっている条件を補足します。
4. 差し替え・再発行の経緯
再発行した請求書には、どの請求書の差し替えかを明記します。「2026年7月10日発行 No.◯◯◯◯の差し替えとして発行」と書いておけば、先方が二重に処理する事故を防げます。
5. 発注番号・契約番号
取引先が発注書ベースで検収している場合、発注番号を備考欄に書いておくと突き合わせが速くなります。「貴社発注番号: ◯◯◯◯」の形式で、取引先から指定された番号をそのまま記載します。
書かないほうがよいこと
備考欄は便利な反面、書きすぎると逆効果になります。
- 長文の言い訳・経緯説明 — 納期遅延のお詫びや作業の裏話は、請求書ではなくメール本文に書きます。請求書は経理書類として保管されるため、支払処理に不要な情報は載せないのが原則です
- 契約にない条件の一方的な追加 — 「遅延損害金を申し受けます」「次回から単価を改定します」など、合意していない条件を備考欄で通知するのは避けます。条件変更は先に合意を取り、請求書には合意済みの内容だけを書きます
- 時候の挨拶・私的なメッセージ — 毎月文面が変わる挨拶文などは不要です。書類としての一貫性を保つほうが、先方の処理は楽になります
毎月同じ備考はテンプレート化する
振込手数料の負担や源泉徴収の注記は、取引先が同じなら毎月同じ文面です。毎回手で書き写していると、書き忘れや文言の揺れが起こります。取引先ごとに備考の定型文を決めてテンプレート化しておけば、書く作業も確認する作業も一度で済みます。
Maido請求では、取引先ごとの継続請求設定に備考欄の文面を登録でき、毎月自動生成される請求書に同じ備考が自動で入ります。発注番号など月ごとに変わる情報だけをその月に追記すればよいため、定型の書き忘れがなくなります。
まとめ
- 備考欄には振込手数料の負担・源泉徴収の注記・支払条件の補足・差し替えの経緯・発注番号を書く
- 長文の言い訳や合意していない条件の追加は書かない。基準は「経理が支払処理に使う情報か」
- 毎月同じ備考は取引先ごとにテンプレート化し、書き忘れと文言の揺れをなくす
※ 源泉徴収の要否や税率は業務内容・契約形態によって異なります。個別の判断については税務署または税理士にご確認ください。