着手金・前払いの請求書の書き方 —
品目の記載例と残金請求

制作や開発の案件では、「着手時に50%、納品時に残り50%」のように、報酬の一部を前払いで受け取る契約がよくあります。未回収リスクを減らせる良い商慣習ですが、いざ請求書を書くとなると「品目に何と書く?」「残金の請求書はどう書く?」と迷いがちです。この記事では、着手金・前払い・中間金の請求書の書き方を記載例つきで整理します。

着手金の請求書 — 品目の書き方

着手金の請求書で大切なのは、何の対価の、どの部分かが一目で分かることです。品目には案件名・着手金であること・総額に対する割合(または金額の根拠)を含めます。

記載例(着手金の品目) ◯◯コーポレートサイト制作費 着手金(総額550,000円の50%) 275,000円

「着手金」とだけ書くと、後から見たときにどの案件のいくらに対する着手金か分からなくなります。総額と割合を書いておけば、先方の経理も契約書との突き合わせがしやすく、残金請求時の照合も簡単になります。中間金がある契約なら「中間金(総額の30%)」のように、同じ形式で統一します。

残金請求の書き方 — 着手金を差し引く

納品後の残金請求では、総額から受領済みの着手金を差し引いた金額を請求します。書き方は、明細で差し引きの経緯を見せるのが分かりやすい方法です。

品目金額(税抜)
◯◯コーポレートサイト制作費(総額) 550,000円
着手金お支払済み分(2026年7月10日ご入金) △275,000円
残金ご請求額(税抜) 275,000円

ポイントは、差し引く行に入金日を添えることです。「いつの入金分を差し引いたか」が明記されていれば、先方が自社の支払記録と照合でき、二重払い・払い漏れの確認が一度で終わります。着手金の請求書と残金の請求書は別の書類なので、請求書番号もそれぞれ別に振ります。

入金を確認してから着手する運用

着手金は「請求書を送ること」ではなく「入金を確認すること」までがワンセットです。

  • 契約書・発注書に前払い条件を明記する — 「着手金の入金確認後に業務を開始する」という条件は、請求書ではなく契約時に合意しておきます
  • 入金期日を短めに設定する — 着手金の期日が通常の支払サイトのままだと、着手が1か月以上先になります。「請求書発行から◯営業日以内」など、着手予定に合わせた期日を相談しましょう
  • 入金確認の連絡をする — 入金を確認したら「ご入金を確認しました。◯日より着手します」と一報を入れると、先方も安心し、着手日の認識も揃います
POINT 入金前に着手してしまうと、前払いにした意味がなくなります。入金待ちの請求書が一覧で見える状態を作っておくと、「入金されたら着手」の運用が確実に回ります。

継続契約の「初月だけの初期費用」の書き方

毎月定額の継続契約でも、初月だけ初期費用や導入費が発生することがあります。この場合は、初月の請求書に月額と初期費用を別の行で並べて書きます。

記載例(初月の明細) ◯◯保守業務(2026年8月分) 50,000円
初期設定費用(初回のみ) 100,000円

「初回のみ」と明記しておくと、翌月以降の金額が減ることを先方が予測でき、2か月目の請求書に対する問い合わせを防げます。翌月からは月額の行だけの請求書に戻ります。

初月と2か月目以降が違っても自動化できる

前払いつきの継続契約は、「初月だけ明細が違い、2か月目からは毎月同じ」という構造です。毎月同じ部分は自動化し、初月だけ明細を調整すれば、請求業務のほとんどはなくせます。

Maido請求では、取引先ごとに継続請求を設定すると毎月の請求書が自動で生成・送付され、初期費用がある初月だけ明細を追加して確認すれば、以降は何もしなくても毎月の請求が回ります。入金待ちの請求書は自動で一覧化されるため、「着手金の入金を確認してから動く」という運用もそのまま実現できます。

まとめ

  • 着手金の品目は「案件名+着手金+総額に対する割合」で書き、何の対価か一目で分かるようにする
  • 残金請求は総額から着手金を差し引く明細にし、差し引く行に入金日を添える
  • 前払い条件は契約時に合意し、入金を確認してから着手する。入金待ちが見える管理とセットで運用する
  • 継続契約の初期費用は初月の明細に「初回のみ」と明記して別行で書く

※ 着手金・前払金の消費税の計上時期など税務上の取り扱いは、取引内容や経理方式によって異なります。個別の判断については税務署または税理士にご確認ください。

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